この試行は無作為化されていた。
すなわち、この試行を受けることに同意した妊婦の半数が無作為に選択されて抗ウイルス薬AZTを投与され、他の半数が対照群としてこの抗ウイルス薬治療を受けなかった。
その後、彼らの乳児におけるHIV感染の発生数が比較された。
この米仏試行に続いて、少なくとも一八の類似の試行が計画され、およそ一七、000人に及ぶHIV陽性妊婦が関係した。
このうち一五の試行(九つがアメリカの資金)が発展途上国を対象に行われ、対照群の患者たちにはどの抗ウイルス薬も提供されないことになっていた。
これらと対照的に、アメリカで実施された二つの試行では、すべての患者は抗ウイルス薬を自由に試すことができた。
タイで計画された唯一のアメリカ資金による試行では、すべての参加女性が抗ウイルス薬を与えられ、AZTの短い(ゆえに安価な)治療コースの効果と、最初の米仏試行で用いられたコースと類似の養生法とが比較が劇的な感染低下をもたらしたので、この試行は早めに中止され、そのあとAZTがHIV陽性妊婦に対する標準医療の一部となった。
しかしHIV陽性妊婦がまもなく六00万人になると推定されるアジアやサハラ以南のアフリカでは、この治療法は余りに費用がかかるので日常的医療に用いることはできない。
この問題は、『N・J・O・M』に、「発展途上国におけるヒト免疫不全ウイルスの周産期伝染を減らすための非倫理的な介入試行」という表題で大々的に取り上げられた。
この記事は、右記一五の試行が「発展途上国における調査に関する倫理的問題を扱うために特別に立案された最近のガイドラインに明らかに違反している」と述べていた。
このガイドラインによると、「(発展途上国で)適用される倫理的基準は、主催国で実施される調査研究の場合に適用される基準より形成を逆転させる」。
この記事は、別の考えをもっていたアメリカとヨ-ロッパの古参の熱帯医学者たちといく人かのアフリカ人医師たちから抗議の嵐を引き出した。
彼らの主張は、どのような新薬養生法が欧米諸国で開発されようと、発展途上諸国では伝統的な対照試行によって試験されるべきである、というものである。
彼らは、生活様式に違いがあるので欧米の調査の結果を単にそのまま(現地諸国に)外挿することはできないと主張する。
たとえば、この場合、発展途上国では、出産前医療を利用できる女性の数は欧米諸国よりも少なく、とくに治療が始まる妊娠初期には少ない。
海外勢も市場拡大への期待は大きく世界に先駆けて会社案内を事業化し、00年代前半までは会社案内の世界シェアの半分を占めていた。